不登校の子と家族のための学校説明会「つながるin2026」に参加して感じたこと

イベントレポート

結論から言います。不登校は、もう「特別な家庭の問題」ではなく、「当たり前にある選択肢の一つ」に変わりつつあると感じました。ただし、そこに向き合う家族の形には、まだ気になる点も見えました。

先日、不登校の子と家族のための学校説明会「つながるin2026」に参加してきました。地域名は伏せますが、当日の様子と、そこで感じたことをまとめます。

当日の様子

会場に入ってまず驚いたのは、その規模でした。会場いっぱいに、パーテーションで区切られたブースがずらりと並び、多くの学校・団体が出展していました。

講演会も同時開催されており、1部は「子どもが不登校になったらどうすればいいの?」(ようこそおかえり食堂代表・奥村弘道さん)、2部は「思春期のお子様との関わり方」(LITALICOパートナーズ・小早川千恵さん)というテーマでした。1部の会場を覗くと、スクリーンに大きく「子どもが不登校になったらどうすればいいの?」という文字が映し出されており、参加者が真剣な表情で聞き入っていました。

去年との違い、はっきり感じた変化

去年もこの説明会に参加したのですが、今年ははっきりとした変化を感じました。学校法人や公立校の参加が、明らかに増えていたのです。

これまでは、フリースクールやNPO、ボランティア団体が中心でした。ですが今年は、通信制高校を運営する学校法人や、サポート校がブースを構えているケースが目立ちました。パンフレットの棚を見ても、資格取得コース、大学進学実績、通信部・通学部といった選択肢を紹介する資料がずらりと並んでいます。

ただ、各ブースで実際に話されていた内容は、「こんな資格が取れます」「学び直しができます」「レポートの書き方を教えます」といった話が中心で、「その先、どんな進路を歩んでいくか」という話は、あまりされていないという印象も受けました。目の前の学び直しは充実してきている一方で、その先を見据えた進路の話は、まだこれからの課題なのかもしれません。

それでも、フリースクールやNPOだけだった時代から、学校や塾までもがこの領域に参入してきているという事実は、不登校という状態への向き合い方が、社会全体で変わりつつあることの表れだと思います。

会場にいたのは、ほとんどが母親だった

もう一つ、強く印象に残ったことがあります。講演会の会場を見渡すと、参加者のほとんどが母親だったということです。皆さん、熱心にメモを取りながら話を聞いていました。

ここで、少し気になることがあります。今日聞いた話を、母親は家に持ち帰り、子どもとの関わり方に活かそうとするはずです。でも、その場にいなかった父親は、同じ危機感、同じ知識を共有できないまま、「いつも通り」の関わり方を続けてしまうのではないでしょうか。

実際、認定NPO法人カタリバの実態調査では、不登校の子どもへの向き合い方について、父親は「何があっても学校に行くべき」、母親は「無理して行かなくてもよい」という意識の差があるという結果が出ています。この差は、単純な性格の違いというより、情報量の違いが影響している部分もあるのではないかと、今日の会場を見ていて感じました。

本来であれば、こうした場には、両親そろって参加し、同じ話を聞き、家に帰ってから話し合う。それができれば、家庭としての向き合い方も、もっと揃っていくのではないかと思います。

実際、講演会の中でも、「学校には行くべきだ」という正論や、「自分もしんどかったけど頑張って行った」という体験談が、子どもを追い詰めてしまうことがあるという話がありました。どちらも、悪意があって言っているわけではありません。ですが、正しいことや自分の成功体験を、正しいタイミングでない時に伝えてしまうと、それは助けではなく、追い詰める言葉になってしまいます。時代も環境も、その子の気質も、自分の頃とは違うかもしれません。この話を、父親も同じ場で聞いていたら、家庭での伝え方も、少し変わっていたのではないかと思います。

「前向きな不登校」という視点は、間違っていなかった

以前このブログで、「不登校」を、困っている子の話にしなくてもいいのではないかという記事を書きました。今日の会場を見て、この視点は間違っていなかったと感じています。

資格取得、学び直し、多様な学びのスタイル。選択肢が増えていくこと自体が、「学校に行けない」ことを、後ろめたいものではなく、当たり前の選択の一つにしていく力を持っていると思います。

まとめ

  • 「つながるin2026」では、学校法人・公立校の参加が去年より明らかに増えていた
  • 各ブースの話は資格取得や学び直しが中心で、進路そのものの話はまだ少ない印象だった
  • 講演会の参加者はほとんどが母親で、情報の非対称性が夫婦間の意識差につながっている可能性がある
  • 「正論」や「自分の経験」が、悪意なく子どもを追い詰めてしまうことがあると、講演会でも指摘されていた
  • 本来は両親そろって話を聞き、家庭として向き合い方を揃えていくことが大切
  • 選択肢が増えていくこと自体が、不登校を「特別なこと」から「当たり前の選択」に変えていく力を持っている

アセラズ、クサラズ、アキラメズ。

母親だけが抱え込むのではなく、家族みんなで、同じ景色を見られるようになったらと思います。

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