9月1日問題、学校以外にできることがあった。地域PTAが実際にやっている工夫

不登校・通信制

結論から言います。夏休みも残りわずかとなったこの時期、多くの保護者が気にかけるのは、宿題の進み具合や新学期の持ち物のことだと思います。ただ、本当に気にかけてほしいことが、もう一つあります。それは、子どもの心と体の状態です。

9月1日は、1年で最も子どもの自殺が多い日

内閣府のデータによれば、夏休み明けは子どもの自死が増える傾向があり、なかでも9月1日は1年で最も子どもの自殺が多い日とされています。令和6年の児童生徒の自殺者数は527人と、過去最多の見込みとなっています。

この事実を、怖がらせるために書いているのではありません。知っておくことが、備えるための第一歩になるからです。

見逃しやすいサインを、正確に知る

頭痛や腹痛、睡眠の乱れ、いつになく不機嫌な様子。これらは、心が発している物理的なサインであることがあります。特に知っておいてほしいのが、起立性調節障害という、自律神経の乱れによる身体的な症状です。これは不登校の子どもの3〜4割に関係しているとも言われており、朝起き上がれない、立ちくらみがするといった症状が、「気持ちの問題」ではなく「体の病気」であるケースも少なくありません。

「気のせい」「怠けているだけ」と決めつけず、まずは小児科や心療内科への相談も、一つの選択肢として持っておいてください。

「行きたいのに起きられない」子の方が、実は深刻なことがある

臨床心理士の指摘によれば、「行きたくないから起きない」と言う子より、「行きたいのに起きられない」という子の方が、実は深刻な場合があるとされています。言葉で「行きたくない」と伝えられる子は、まだ親を信頼して本音を話せている証拠です。一方、心と体が分離してしまっている子は、自分の状態をうまく言葉にできません。

私の地域の小学校が、実際にやっている工夫

私の地域の小学校では、夏休み最後の日曜日に「サマーフェスタ」という、遊びを通したイベントを開催しています。今年は、キンボールスポーツという、子ども4人1チームで対戦するあまり知られていないスポーツの体験会や、親子で学校のプールを使って遊ぶプール大会が行われました。低学年は親子必須の宝探しやエビカニクス体操、高学年は浮き輪リレーや本気リレーなど、学年に応じたプログラムが用意され、参加者にはかき氷が配られるなど、最後まで楽しめる工夫がされています。

PTA会長からのお便りには、こう書かれていました。「学校で開催するPTAイベントは、水曜日からの新学期に向け、体調を整え学校へ通うために身体も心も準備となります」。つまりこのイベントは、単なる夏休み最後の思い出作りではなく、学校という場所への心理的なハードルを、遊びを通じて少しずつ下げるという、明確な意図を持って設計されているのです。

親としてできる4つのこと

  • 無理に理由を聞き出そうとしない:「なんで行きたくないの?」と問い詰めるより、「つらいんだね」と気持ちを受け止めることを優先する
  • 「休んでもいい」と先に伝えておく:選択肢があることを、追い詰められる前に知らせておく
  • 体調不良が続く場合は、専門機関への相談を選択肢に入れる:「気のせい」で片付けず、小児科・心療内科への相談も視野に入れる
  • 難しく考えず、まず「体が喜ぶこと」から:栄養・睡眠・運動など、シンプルなところから整えていく。心が整うのを待つより、体を整えることから、結果的に心も少しずつ落ち着いていくこともあります

まとめ

  • 9月1日は、1年で最も子どもの自殺が多い日とされている
  • 頭痛・腹痛・睡眠の乱れは、心が発する物理的なサインであることがある
  • 起立性調節障害という、身体的な要因が背景にある場合もある
  • 「行きたいのに起きられない」子の方が、深刻な場合がある
  • 地域のPTAが、遊びを通じて学校へのハードルを下げる工夫をしている例もある
  • 無理に理由を聞き出さず、「休んでもいい」と先に伝えておくことが大切
  • 心の状態が複雑で分かりにくいときは、まず体を整えることから始めるのも一つの方法

アセラズ、クサラズ、アキラメズ。

9月1日問題を知ることは、子どもを怖がらせるためではありません。この事実を知っている親と、知らない親とでは、子どもが発する小さなサインへの気づき方が変わってきます。まず知ること。それが、備えるための第一歩です。

この記事は、お子さんの心と体の状態について、一般的な情報をお伝えするものです。もしお子さんの様子に強い心配を感じている場合は、一人で抱え込まず、学校のスクールカウンセラーや、お住まいの地域の相談窓口、小児科・心療内科などの専門機関に相談することをおすすめします。

すぐに相談したい場合は、こうした窓口もあります。よりそいホットライン(0120-279-338、24時間対応)24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)など、無料で相談できる窓口が用意されています。

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