自分の気持ちを言えない子が増えている理由と対処法【元PTA会長が教える「感情表現力」の育て方】

読解力・表現力

「うちの子、何を聞いても『別に』『普通』しか言わないんです」

PTA会長を7年間務めた中で、この悩みを持つ保護者が年々増えていると感じています。

怒っているのか、悲しいのか、嬉しいのか。自分の気持ちを言葉にできない子どもが増えています。

気持ちを言葉にする力は、国語力や作文力だけでなく、友達関係・先生との関係・将来の仕事にも直結する力です。

この記事では、PTA活動で多くの子どもたちを見てきた経験と、ある教室での見学体験から、感情表現力を育てるヒントをお伝えします。

なぜ今、気持ちを言えない子が増えているのか

自分の気持ちを言えない子が増えている背景には、いくつかの理由があります。

■ 理由①:気持ちを言葉にする機会が減った
スマホやゲームの普及で、家族や友達と顔を見て話す時間が減っています。気持ちを言葉にするには「話す場」が必要ですが、その場が日常から失われつつあります。

■ 理由②:感情を表現することへの恥ずかしさ
「そんなことで泣くな」「男のくせに」「大げさ」など、感情を表現したときに否定された経験がある子は、気持ちを言うことへの恐れを持ちます。

■ 理由③:感情を表す言葉を知らない
「嬉しい」「悲しい」以外の感情を表す言葉を知らない子が増えています。語彙が少ないと、複雑な気持ちを言葉にできません。「なんかモヤモヤする」「なんか嫌」で止まってしまうのはこのためです。

■ 理由④:正解を求めすぎる教育の影響
「正しい答え」を求める教育に慣れすぎると、気持ちを表現するときにも「これを言っていいのか」と迷うようになります。感情に正解はないのに、正解を探してしまうのです。

PTAの現場でも「最近の子は感情が見えにくい」という声を先生方からよく聞きました。

気持ちを言えない子に共通するパターン

PTA活動を通じて、気持ちを言えない子どもたちにはいくつかの共通パターンがありました。

■ パターン①:「別に」「普通」「わからない」が口癖
どんなことを聞いても同じ言葉で返す。自分の気持ちを言葉にする習慣がない状態です。

■ パターン②:感情が行動に出る
気持ちを言葉にできないため、急に泣く・怒る・黙り込むなど、感情が行動として出てしまいます。本人も「なぜそうなったかわからない」ことが多いです。

■ パターン③:友達とのトラブルが多い
気持ちを言葉で伝えられないため、誤解が生まれやすくなります。「なんで怒っているのかわからない」と友達に言われてしまうケースも多くありました。

■ パターン④:作文や日記が書けない
「思ったことを書いて」と言われても何も書けない。感情表現力の低さは、国語の成績にも直結します。

これらのパターンは、日常の関わり方を変えることで改善できます。

PTA活動で見えた「感情表現が豊かな子の家庭」の共通点

7年間のPTA活動で、感情表現が豊かな子どもたちの家庭にはある共通点がありました。

■ 共通点①:親が自分の気持ちを言葉にしている
「お母さん、今日それを聞いてすごく嬉しかった」「お父さん、それは悲しかったな」と、親自身が気持ちを言葉にしている家庭の子は、自然と同じ習慣を身につけます。

■ 共通点②:気持ちを否定しない
「そんなことで泣かないの」と言わず「悲しかったんだね」と受け止める。気持ちを否定されない経験が、子どもが安心して感情を表現できる土台になります。

■ 共通点③:「どんな気持ちだった?」を日常的に聞く
出来事を聞くだけでなく「そのときどんな気持ちだった?」と感情を言葉にする機会を作っている家庭の子は、感情表現力が高い傾向がありました。

■ 共通点④:絵本や物語を通じて感情を学んでいた
幼少期に絵本の登場人物の気持ちを一緒に考えた経験がある子は、感情を言葉で表現する力が豊かでした。「この子はどんな気持ちだと思う?」の一言が、感情語彙を育てます。

見学した教室で見た「気持ちを言葉にする」実践

以前、学校でも塾でもないある教室を見学したことがあります。

その教室では、マインドマップを使って言葉を組み合わせ、自分の気持ちを文章にする取り組みが行われていました。

印象的だったのは、講師が子どもの答えに対して「正解・不正解」を言わないことでした。「それはどういう気持ち?」「もう少し教えて」と、ただ聴き続けるのです。

最初はうまく言葉にできなかった子どもが、時間をかけるうちに「なんか、こう、胸がギュッとする感じ」と表現し始めました。その瞬間、講師が「それがあなたの言葉だね」と言った場面が今も忘れられません。

気持ちを言葉にする力は、正解を教えることでは育ちません。安心して表現できる場と、受け止めてもらえる体験の積み重ねで育つのだと、その教室で改めて感じました。

今日からできる感情表現力の鍛え方5選

では具体的にどうすればいいか。今日からできる方法を5つお伝えします。

■ ①「今日どんな気持ちだった?」を毎日聞く
「今日どうだった?」ではなく「今日どんな気持ちだった?」と聞くことで、感情を言葉にする練習になります。最初は「普通」と返ってきても大丈夫。続けることが大切です。

■ ②感情を表す言葉を増やす「感情カード」を作る
「嬉しい・悲しい・怒り・不安・驚き・恥ずかしい・モヤモヤ・ワクワク」など、感情を表す言葉を紙に書いて貼っておく。言葉を知ることで、自分の気持ちに名前がつけられるようになります。

■ ③絵本や映画の登場人物の気持ちを一緒に考える
「この子は今どんな気持ちだと思う?」と聞く習慣をつけてください。他者の感情を言葉にする練習が、自分の感情を言葉にする力につながります。

■ ④親が先に気持ちを言葉にする
「お母さん、今日それを聞いてすごく嬉しかった」「それは正直悲しかったな」と、親が日常的に気持ちを言葉にするモデルを見せてください。子どもは親の言葉から感情表現を学びます。

■ ⑤気持ちを否定しない
「そんなことで泣かないの」「大げさ」という言葉をやめて「そうか、悲しかったんだね」と受け止める。気持ちを否定されない経験の積み重ねが、安心して表現できる子どもを育てます。

通信教育で感情表現力・表現力を伸ばす方法

「家でうまく教えられるか不安」という方には、通信教育を活用するのがおすすめです。

感情表現力を育てるには「自分の気持ちを言葉にして書く」練習が効果的です。通信教育には、この練習を体系的に積める仕組みが整っています。

・文章を読んで登場人物の気持ちを考える問題
・自分の考えや気持ちを記述する問題
・添削指導で「伝わる表現」を学ぶ仕組み

わが家でもZ会を活用していますが、記述式の問題を通じて「自分の気持ちを言葉にする」力が着実についてきたと感じています。

感情表現力と表現力を同時に伸ばしたい方に、Z会はとくにおすすめです。

※Z会の詳細はこちら

まとめ

自分の気持ちを言えない子が増えている理由と対処法をお伝えしました。

気持ちを言葉にする力は、学力だけでなく人間関係・将来の仕事にも直結する力です。そしてこの力は、日常の家庭での関わりで必ず育てられます。

・「今日どんな気持ちだった?」を毎日聞く
・感情を表す言葉を増やす
・気持ちを否定しない
・親が先に気持ちを言葉にする
・絵本や映画の登場人物の気持ちを一緒に考える

どれかひとつでも今日から始めてみてください。

PTA会長として7年間、多くの子どもたちを見てきた経験から断言します。

気持ちを言葉にする力は必ず育ちます。大切なのは「安心して表現できる家庭の雰囲気」です。

お子さんの感情表現力を、ぜひ家庭から育ててみてください。

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