結論から言います。お盆に帰省して、おじいちゃん・おばあちゃんに会う機会があるなら、それは子どもにとって、とても価値のある時間になります。今日は、朝日中高生新聞で見つけた特集をきっかけに、家族の歴史を話すことの意味について書きます。
朝日中高生新聞で見つけた、良い特集
先日、朝日中高生新聞を購読し始めました。読んでみて良いなと感じたのが、「天声人語200字感想文」という毎週の企画です。大人向けの新聞コラムを、中高生が200字で要約し、感想を書く。実際の中高生の作文も紹介されていて、この紙面だけでも、読解力・表現力のトレーニングとして十分に価値があると感じました。
そして今号の一面が、まさにお盆シーズンにぴったりの特集でした。「家族のヒストリーを知りませんか?」というテーマです。
家族の歴史を知っている子どもは、自己肯定感が高い
この特集で紹介されていたのが、アメリカのエモリー大学の心理学者たちによる研究です。家族の歴史や物語をよく知っている子どもほど、自己肯定感が高く、レジリエンス(心の回復力)も強いということが分かっています。
この研究では、「Do You Know?(知ってる?)」という20の質問を使って、子どもがどれくらい家族について知っているかを調べました。質問にたくさん答えられる子どもほど、情緒が安定し、困難を乗り越える力が高かったそうです。
実際に、家庭で使える「20の質問」
研究で使われた質問の一部を、家庭で試しやすい形で紹介します。お盆に親戚が集まる機会に、ぜひ試してみてください。
- ママ(パパ)は、どこで生まれてどこで育ったか知ってる?
- 自分が生まれたときのこと、知ってる?
- おじいちゃんとおばあちゃんが、どこでどうやって出会ったか知ってる?
- 両親が、学生時代にどんなことをしていたか知ってる?
- 家族が、これまでどんな困難を乗り越えてきたか知ってる?
- 家族に伝わっている、面白いエピソードを知ってる?
難しく考える必要はありません。ふとした瞬間に、一つずつ聞いてみるだけで十分です。
「知らないこと」自体が、何かを失わせているのかもしれない
今回、エモリー大学の研究を調べていて、ふと気づいたことがあります。家族の歴史を知る機会は、決して特別なものではありません。お盆に集まる、法事で顔を合わせる、何気ない食卓での会話。そうした機会は、多くの家庭に、実はすでに用意されています。
それでも、多くの子どもが家族の歴史を知らずに育つのは、「知る機会がない」からではなく、「知る機会があるのに、誰もそれを言葉にしていない」からなのではないかと思います。
核家族化が進み、祖父母と離れて暮らす家庭も増えました。お盆や正月にしか会えない祖父母との時間、その貴重な機会の中で、天気の話や近況報告だけで終わってしまうことは、珍しくないと思います。「知らないこと」は、誰かが悪いわけではなく、ただ、その機会が言葉にされずに通り過ぎているだけなのかもしれません。
そう考えると、家族の歴史を子どもに伝えることは、特別な準備がいることではなく、「今、目の前にある機会を、少しだけ言葉にする」という、ごく小さな一歩なのだと思います。
それは、遠い親戚の話だけとは限りません。今、自分たちが暮らしているこの場所に、どんな歴史があるのかを話すことも、立派な家族のヒストリーです。「このあたりは、昔はどんな場所だったんだろう」「うちの家族は、いつからここに住んでいるんだろう」。そんな身近な問いかけからでも、子どもは自分のルーツを実感できるはずです。
なぜ、家族の歴史を知ることが、子どもの力になるのか
家族のストーリーを知ることは、子どもにとって、自分のルーツを知ることだと思います。自分がどこから来て、どんな人たちに支えられて今があるのかを知ることは、「自分は一人ではない」という、目に見えない安心感につながっているのではないでしょうか。
特に、家族が困難を乗り越えてきたエピソードは、子どもにとって「うちの家族は、大変なことがあっても乗り越えてきたんだ」という、静かな自信になります。成功した話だけでなく、苦労した話も含めて伝えることに、意味があるのだと思います。
我が家の場合
我が家は、私の祖父の代からずっと同じ土地で暮らしてきました。子どもたちには、詳しい事情まではまだ話していませんが、「今おじいちゃんが住んでいるこの場所で、ずっと家族が暮らしてきた」ということは、折に触れて伝えるようにしています。
特別な物語がなくても、「同じ場所で、家族が代々暮らしてきた」という事実そのものが、子どもにとっては、一つのルーツの実感になっているように感じます。
まとめ
- 朝日中高生新聞の特集で、家族のヒストリーを知ることの大切さが取り上げられていた
- エモリー大学の研究では、家族の歴史をよく知る子どもほど、自己肯定感・レジリエンスが高いという結果が出ている
- 「Do You Know?」の20の質問は、家庭でそのまま使える、良いきっかけになる
- 「知らない」のは機会がないからではなく、その機会が言葉にされずに通り過ぎているだけかもしれない
- 家族の歴史だけでなく、今住んでいる場所の歴史を話すことも、立派なヒストリー
- 成功談だけでなく、苦労を乗り越えてきた話にも、子どもの心を支える力がある
アセラズ、クサラズ、アキラメズ。
夏休みとお盆というタイミングだからこそ、少しだけ、家族の歴史を話す時間を作ってみてはいかがでしょうか。


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