「先生の話を聞いていない」
「友達の話を最後まで聞けない」
PTA会長を7年間務めた中で、こんな悩みを持つ保護者から相談を受けることが増えました。
聞く力は、勉強の土台です。授業中に先生の話を正確に聞き取れなければ、どんなに教科書を読んでも学力は上がりません。
以前、学校でも塾でもないある教室を見学したことがあります。子どもたちがマインドマップを使って言葉を組み合わせ、自分の気持ちを文章にする取り組みでした。印象的だったのは、講師が子どもの話をじっくり最後まで聴く姿勢でした。子どもたちは「ちゃんと聴いてもらえる」と感じたとき、自分の言葉でどんどん表現するようになっていきました。
「聴いてもらえる体験」が子どもの表現力を引き出す。この光景は、聞く力の大切さを改めて教えてくれました。
この記事では、聞く力がなぜ学力に直結するのか、そして家庭でどう鍛えるかをお伝えします。
なぜ「聞く力」が学力に直結するのか
聞く力が学力に直結する理由は、学校の授業のほとんどが「聞く」ことで成り立っているからです。
小学校の授業時間のうち、先生の話を聞く時間は全体の約半分以上と言われています。この時間に正確に聞き取れるかどうかが、理解度に大きく影響します。
■ 理由①:授業の内容が頭に入りやすくなる
先生の説明を正確に聞き取れる子は、ノートを見返さなくても内容を思い出せます。聞きながら「大事なこと」を自然に選び取る力がついているからです。
■ 理由②:友達の発言から学べる
グループ学習や発表の場面で、友達の意見をしっかり聞ける子は、自分にない視点を吸収できます。これが思考力の広がりにつながります。
■ 理由③:指示を正確に理解できる
テストの問題文や先生の指示を正確に聞き取れる子は、ミスが少なくなります。「聞き間違い」「聞き漏らし」によるミスは、聞く力を鍛えることで大幅に減らせます。
■ 理由④:コミュニケーション力が上がる
聞く力は、話す力の土台でもあります。相手の話をしっかり聞けるからこそ、的確な返答ができます。友達関係や将来の仕事にも直結する力です。
聞く力が低い子に共通するパターン
PTA活動を通じて、聞く力が低い子どもたちにはいくつかの共通パターンがありました。
■ パターン①:話の途中で口を挟む
相手が話し終わる前に自分の話を始めてしまう。聞くより話すことが先になってしまう状態です。
■ パターン②:聞いているようで聞いていない
返事はするのに内容を覚えていない。「聞いたつもり」になっているケースです。表面的には聞いているように見えても、頭の中で別のことを考えています。
■ パターン③:長い話になると途中で集中が切れる
短い指示は聞けても、少し長くなると最後まで集中が続かない。授業中に先生の説明が長くなると、途中から内容が頭に入らなくなります。
■ パターン④:「なんて言ってた?」が多い
テレビや会話の内容をすぐに忘れてしまう。短期記憶と聞く力は深く関係しています。
これらのパターンは、日常の小さな習慣で改善できます。
PTA活動で見えた「聞く力が高い子の家庭」の共通点
7年間のPTA活動で、聞く力が高い子どもたちの家庭にはある共通点がありました。
■ 共通点①:親が子どもの話を最後まで聴く
どんなに忙しくても、子どもが話しかけてきたときに途中で遮らない。「最後まで聴いてもらえる」体験が、子ども自身の聞く姿勢を育てます。
先ほど紹介した教室の見学でも感じたことですが、講師が子どもの話を最後まで聴く姿勢が、子どもたちの表現力を引き出していました。聴いてもらえる体験が、聴く力を育てるのです。
■ 共通点②:テレビを「ながら見」しない
食事中にテレビをつけっぱなしにしない。何かをしながら話を聞く習慣がつくと、集中して聞く力が育ちにくくなります。
■ 共通点③:「今何て言ってた?」と確認する習慣がある
先生や友達の話を聞いたあとに「何て言ってた?」と確認する習慣がある家庭の子は、聞いた内容を整理して覚える力がついています。
■ 共通点④:読み聞かせをしていた
幼少期に読み聞かせをしていた家庭の子は、聞く力が高い傾向がありました。読み聞かせは「声だけで内容を理解する」練習になるからです。
今日からできる聞く力の鍛え方5選
では具体的にどうすればいいか。今日からできる方法を5つお伝えします。
■ ①子どもの話を最後まで聴く
まず親が「聴くモデル」になることが大切です。子どもが話しかけてきたとき、スマホを置いて目を見て聴く。この姿勢を見せることが、子どもの聞く力を育てる一番の近道です。
■ ②「今日先生に何を言われた?」と毎日聞く
学校から帰ったあとに「今日先生に何を言われた?」と聞く習慣をつけてください。聞いた内容を思い出して話す練習が、聞く力を着実に鍛えます。最初はうまく答えられなくても大丈夫です。続けることが大切です。
■ ③ラジオや朗読CDを活用する
映像なしで音だけから内容を理解する練習として、ラジオや朗読CDが効果的です。耳だけで集中して聞く習慣が、授業中の聞く力に直結します。車の中でのドライブ時間を活用するのもおすすめです。
■ ④「話を聞いたあとに一言でまとめる」練習をする
ニュースや会話を聞いたあとに「一言でまとめると?」と聞いてみてください。聞いた内容を整理して言葉にする練習が、聞く力と同時に要約力も鍛えます。
■ ⑤「反応しながら聴く」練習をする
うなずく・相槌を打つ・目を見て聴く。これらの「聴く姿勢」を家庭で意識的に練習することで、学校でも自然にできるようになります。親が意識してやって見せることが、一番の教材になります。
通信教育で聞く力・表現力を伸ばす方法
「家でうまく教えられるか不安」という方には、通信教育を活用するのがおすすめです。
以前見学した教室では、マインドマップを使って言葉を組み合わせ、自分の気持ちを文章にする取り組みが行われていました。「聞く→考える→表現する」という流れを繰り返すことで、子どもたちの言葉がどんどん豊かになっていく様子が印象的でした。
通信教育にも、この「聞く→考える→表現する」の流れを家庭で実践できる仕組みが整っています。
・文章を読んで内容を整理する問題
・自分の考えを記述する問題
・添削指導で表現力を磨く仕組み
わが家でもZ会を活用していますが、記述式の問題を通じて「聞いて・考えて・表現する」力が着実についてきたと感じています。
まとめ
聞く力を育てるために大切なことをお伝えしました。
聞く力は学力の土台です。授業を理解する力、友達と関わる力、将来仕事をする力、すべての土台になります。
・子どもの話を最後まで聴く
・「今日先生に何を言われた?」と毎日聞く
・ラジオや朗読CDを活用する
・聞いたあとに一言でまとめる練習をする
・反応しながら聴く姿勢を見せる
どれかひとつでも今日から始めてみてください。
PTA会長として7年間、多くの子どもたちを見てきた経験から断言します。
聞く力は必ず育ちます。大切なのは「親が聴くモデルになること」です。
お子さんの聞く力を、ぜひ家庭から育ててみてください。


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