結論から言います。7年間、PTA会長を務めてきましたが、「はぐくみネット」という言葉は知っていても、その位置づけや役割を、正直、よく分かっていませんでした。でも、改めて調べてみると、これは非常に重要な仕組みで、しかも、PTAが今、期待されている役割と、深く結びついていることに気づきました。
大阪市内297校区、すべてに設置されている仕組み
「小学校区教育協議会-はぐくみネット-」は、学校・家庭・地域の三者が一体となって子どもを育てる仕組みとして、平成14年度に10の小学校区でスタートし、平成19年度には、大阪市内全297小学校区に設置されました。
参加しているボランティアは、大阪市全体で約58,000人、1校区あたり平均約200人という、かなり大規模なネットワークです。構成員は、地域の諸団体、PTAの代表者、学校関係者などで、会議を通じて、学校や地域の教育活動について、情報共有や意見交換を行っています。
PTAが期待される役割を、実は担っている仕組みだった
ここが、今回一番の気づきでした。大阪市のPTA公式資料には、こう明記されています。「PTAとして積極的に参加し、学校・家庭・地域の連携をはかる…それらにおいて、PTAが果たす役割には大きいものがあります」。
つまり、大阪市自身が、**「PTAは、はぐくみネットに積極的に参加することで、学校・地域連携という役割を果たす」**と、明確に位置づけているのです。以前の記事で、「全国PTA連絡協議会」のような全国組織は、その性質上、個別の学校・地域と顔の見える関係を築く立場にないと書きました。まさに、その”現場レベルの協働”を、実際に担っているのが、はぐくみネットだったのです。
上手く機能している校区は、何が違うのか
全297校区に設置されているとはいえ、活動の熱量は、校区によってかなり差があるようです。実践事例を見ていくと、上手く機能している校区には、いくつかの共通点があります。
東住吉区のある地域では、子ども見守り隊に「はぐぴー」という愛称がつけられ、児童との対面式や、子どもたちから感謝を伝える「ありがとうの会」まで、継続的に行われています。淀川区のある地域では、美術・工作指導やスポーツ教室など、地域の大人が専門性を活かした体験活動を、継続的に提供しています。
共通しているのは、**活動に愛称がつき、地域住民・子ども双方の当事者意識が高まっていること**、そして**一過性のイベントでなく、継続していること**です。「上手く機能している校区」とは、単なる地域活動の活発さの違いではなく、**子どもたちが、学校の先生以外にも、見守ってくれる大人を、どれだけ持てているか**という、教育環境の”厚み”の差なのだと思います。
正直に言うと、PTA会長を務めていた間、はぐくみネットとの関わり方について、明確な意識を持てていませんでした。今振り返ると、PTAとはぐくみネットで、同じ顔ぶれが両方に関わっていることも多く、役割の違いが実感として分かりにくかったのだと思います。
PTAとはぐくみネット、実際の連携の形
では、具体的にどう連携すればいいのか。全国の優良PTA表彰事例を見ると、ヒントになる取り組みがいくつもあります。
ある地域では、PTAが企画し、夏休みに親子で「お気に入りの人・もの・こと」を撮影する「地域カレンダーづくり」を、地域クラブと協力して実施しています。別の地域では、小学校の運動会を地域住民と合同で開催し、PTAの保健体育部が、地域側の運営役員として企画・運営に参加しています。また、朝の学習時間に、地域住民や保護者が「学習支援員」として、子どもたちの丸付けを手伝う取り組みもあります。
これらに共通するのは、**PTAが、地域との連携をゼロから作るのではなく、既にある地域の仕組み(はぐくみネットのような組織)の活動に、乗っかる・参加する**という形です。PTAが単独で「学校と地域をつなぐ」という重い役割を背負い込む必要は、本来ないのだと思います。
まとめ
- はぐくみネットは、大阪市内全297小学校区に設置されている、学校・家庭・地域をつなぐ仕組みで、ボランティアは約58,000人にのぼる
- 大阪市は、PTAがはぐくみネットに積極的に参加することで、学校・地域連携の役割を果たすと、公式に位置づけている
- 上手く機能している校区は、活動に愛称がつき、継続的な関係性が築かれている
- PTAと地域の連携は、地域カレンダーづくり、合同運動会、学習支援など、既存の地域の仕組みに参加する形で、実現できる
- PTAが単独で地域連携を背負い込む必要はなく、はぐくみネットのような仕組みを、積極的に活用する価値がある
アセラズ、クサラズ、アキラメズ。
知らなかった仕組みに気づくこと自体が、PTA活動の負担を、少し軽くしてくれるきっかけになるのかもしれません。


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