結論から言います。発達障害のある中学生のうち、不登校になっている割合は、25%を超えています。4人に1人以上です。以前の記事でも「発達障害の子の不登校率は平均の3〜5倍」というデータを紹介しましたが、今回、文部科学省の委託調査で、さらに詳しい内訳が明らかになりました。そして、そこには、意外な発見がありました。
中学生に限ると、不登校率は25%を超える
文部科学省が公表した委託調査(2025年11〜12月、全国の小・中学校1,570校を対象に実施、432校から回答)によると、発達障害のある児童・生徒の不登校率は、全体の不登校率(3.71%)の3倍以上にあたる13.26%でした。そして、これを中学生だけで見ると、**25.13%**まで跳ね上がります。つまり、発達障害のある中学生の、4人に1人以上が、不登校になっているということです。
支援の”手厚さ”によって、不登校率は大きく変わる
ここからが、今回の調査の核心です。発達障害のある子どもたちを、受けている支援の種類別に分けて見ると、不登校率に、はっきりとした差が出ていました。
- 特別支援学級(自閉症・情緒障害)在籍:中学校23.31%
- 通級指導を受けている:中学校12.95%
- 通常学級在籍、通級指導なし、でも発達障害に起因する相談があった:**中学校46.08%**
この数字を見て、正直、驚きました。**一番手厚い支援を受けているはずの「特別支援学級」の子より、「通常学級にいて、診断や正式な支援はついていないが、困りごとの相談があった」子の方が、不登校率がずっと高い**のです。ほぼ2人に1人が、不登校になっている計算になります。
一番のリスクは、「支援の輪の外側」にいること
これは、何を意味しているのでしょうか。特別支援学級や通級指導は、既に「専門的な支援の枠組み」に入っている状態です。一方、「通常学級にいて、相談はあったが、正式な支援にはつながっていない」子どもたちは、**困りごとに気づかれてはいるものの、組織的な支援の”輪”には、まだ入れていない**状態だと考えられます。
つまり、「診断名がつくかどうか」「特別な学級に在籍しているかどうか」よりも、**「学校が、その子の困りごとに気づき、きちんと支援の体制に乗せられているかどうか」**の方が、不登校リスクを左右する、本質的な分かれ目なのかもしれません。診断の有無は、本人にはどうにもできないことですが、「気づいた後、どう支援につなげるか」は、学校側の体制次第で変わる部分です。
何が、予防に効くのか
同じ調査で、不登校の予防に関連すると考えられる要因も分析されています。「通常学級でできる支援方策や程度、合理的配慮について組織的に検討している」「校内委員会やケース会議が十分に機能している」「合理的配慮に当たっての建設的対話を通じた合意形成ができている」学校ほど、不登校率が低い傾向にあったとされています。
つまり、**一人の先生の頑張りではなく、学校全体として”組織的に”向き合えているかどうか**が、鍵を握っているということです。文部科学省も、「外部の専門家らと連携した組織的な支援が必要だ」と分析しています。
家庭でできること
もし、お子さんに「困っているかもしれない」というサインがあるのに、まだ正式な相談や支援につながっていない場合、**「診断がつくかどうか」を待つ前に、学校に困りごとを伝え、相談の記録を残しておくこと**自体に、意味があるのだと思います。「相談があった」という事実が、組織的な支援につながる、最初の一歩になるからです。
まとめ
- 発達障害のある中学生の不登校率は25.13%で、4人に1人以上にのぼる
- 支援の種類別に見ると、特別支援学級23.31%、通級指導12.95%に対し、通常学級で相談のみの子は46.08%と、最も高かった
- 一番のリスクは「診断の有無」ではなく、「組織的な支援の輪に入れているかどうか」である可能性がある
- 学校が組織的に検討・連携している場合、不登校率が低い傾向にある
- 困りごとがあれば、診断を待たず、学校に相談し記録を残すことが、支援につながる第一歩になる
アセラズ、クサラズ、アキラメズ。
「支援が必要そうだけど、まだ診断はついていない」。そんな、はざまにいる子どもたちにこそ、目を向けていきたいと思います。


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