「うちの子、最近学校に行きたがらなくて…」
こんな相談を、PTA会長を務めた7年間で何度聞いたかわかりません。
「甘えじゃないか」という周囲の目に、親も子も深く傷ついていました。
でも正直に言います。
7年間で見てきた不登校の子どもたちは、甘えていたのではありません。
心と体が限界を超えていたのです。
この記事では、現場で見てきたリアルな実態と、データに基づいた正しい理解をお伝えします。
「登校拒否」から「不登校」へ〜言葉が変わった理由〜
昭和の時代、学校を休む子どもは「登校拒否」と呼ばれていました。
「拒否」という言葉には「意図的に学校を拒んでいる」「自分勝手」というニュアンスがあり、子どもや親が責められる空気がありました。
転換点は1992年。文部省(当時)が「特別な子どもだけが不登校になるわけではなく、どの子にも起こりうる」という通達を出したことで、「不登校」という言葉が広まり始めます。
そして1998年、文部科学省の統計上の呼称が正式に「不登校」に変更されました。
言葉が変わった背景には、「子どものせいにしない」という社会の意識変化がありました。
不登校は今や「特別なこと」ではない
文部科学省の2024年度調査によると、小・中学校における不登校児童生徒数は35万3,970人で過去最多となり、12年連続で増加しています。
中学生に至っては約15人に1人が不登校という計算になります。
1998年時点では12万7,692人でしたが、現在では約3倍にまで増加しています。
クラスに1〜2人は不登校の子がいる時代です。「うちだけ」「この子だけ」ではありません。
「甘え」と言われる理由と、その誤解
不登校を「甘え」と見る人がいる理由は、外から見ると「家では元気そう」に見えるからです。
しかし7年間で見てきた不登校の子どもたちは、家の中では決して「楽」をしていませんでした。
・朝になると腹痛・頭痛が起きる
・「行かなきゃ」という罪悪感で眠れない
・学校の話題が出るだけで固まってしまう
これは意志の弱さではなく、心と体が限界のサインです。
「甘え」と決めつけることは、すでに限界を迎えている子どもをさらに追い詰めることになります。
現場で見てきた不登校の子に共通していたこと
7年間でPTA会長として関わった不登校の子どもたちには、共通した特徴がありました。
真面目で感受性が強い
いい加減な子ではなく、むしろ「ちゃんとしなきゃ」と思いすぎる子が多かった。周りの空気を読みすぎて、疲れ果ててしまうのです。
きっかけは些細なことが多い
友達との些細なすれ違い、先生の一言、席替え。大人には小さく見えることが、子どもには大きな出来事になることがあります。
親が責めると悪化する
「なんで行けないの」という言葉が、子どもをさらに追い詰めます。責められるほど、子どもは自分を責め、状況は悪化していきました。
親がやってしまいがちなNG行動
❌ 「みんな行ってるのに」と比べる
❌ 「このままじゃ将来どうなるの」と不安を煽る
❌ 無理やり連れて行こうとする
❌ 学校に行かないことを毎日責め続ける
これらはすべて親心からくる言葉です。
でも子どもには「自分はダメな人間だ」というメッセージとして届いてしまいます。
元PTA会長が見てきた「回復のきっかけ」
回復した子どもたちに共通していたのは、「安心できる場所と人」の存在でした。
・親が「行かなくていい」と認めた瞬間から表情が変わった
・好きなことに没頭できる時間が回復につながった
・学校以外の居場所(フリースクール・通信制)が合っていた
登校することがゴールではありません。
子どもが自分らしく生きられることがゴールです。
不登校の子への正しい関わり方
✅ まず「つらかったね」と気持ちを受け止める
✅ 学校以外の選択肢も視野に入れる
✅ 専門家(スクールカウンセラー等)に相談する
✅ 親自身も一人で抱え込まない
大阪市内には不登校専門の支援機関も増えています。一人で悩まず、まず相談することが大切です。
不登校を「隠さない」ことの大切さ
子どもが不登校になると、親は周りに隠そうとしてしまいがちです。
「近所の人に何を言われるか」
「学校の親御さんにどう思われるか」
その気持ちはよくわかります。
でも親が後ろめたそうにしていると、子どもはそれを敏感に感じ取ります。
「自分は恥ずかしい存在なんだ」と思ってしまうのです。
7年間で回復していった子どもたちの親に共通していたのは、「この子の今をそのまま受け入れる」という姿勢でした。
不登校は隠すことではありません。
親が堂々としていることが、子どもの自己肯定感を守ることにつながります。
自宅で学習を続けながら学力を維持する方法
不登校の期間、学校に行けなくても学力を維持したいという親御さんは多いです。
そんなときに力になるのが通信教育です。
自分のペースで、自宅で学べるため、不登校の子どもにも取り組みやすい環境が整っています。
わが家でもZ会を活用していますが、記述式の問題が多く「自分の考えを言葉にする」練習が日常的にできています。
学校に行けない期間も、学びを止めないことが大切です。
※Z会の詳細はこちら
まとめ
「登校拒否」から「不登校」へ。言葉が変わったように、社会の見方も変わってきました。
不登校は甘えではありません。35万人を超える子どもたちが、今この瞬間も葛藤しています。
大切なのは「学校に行かせること」より、「子どもの心を守ること」です。
まず親が「この子は甘えていない」と信じてあげることが、回復への第一歩になります。


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