結論から言います。中学生の52.5%が、自分のことを「スマホ中毒」だと感じています。半数以上の子が、自分自身で気づいているのです。でも、気づいているのに、やめられない。その理由を、子どもたち自身の言葉から、探ってみたいと思います。
中学生の52.5%が、自分を「スマホ中毒」だと感じている
ニフティが運営する子ども向けサイト「ニフティキッズ」が、小中学生1,949人を対象に実施した調査(2026年5月〜7月)によると、自分専用のスマホを持っている割合は、小学生39.7%、中学生75.9%でした。2024年の調査では中学生の所持率が63.5%だったので、この2年ほどで大きく増えています。
そして、自分のことを「スマホ中毒だと思うか」尋ねたところ、**小学生では「思わない」が63%で上回った**のに対し、**中学生では「思う」が52.5%**という結果になりました。学年が上がるにつれて、自己認識が、はっきりと逆転しているのです。
子どもたち自身の、驚くほど率直な声
この調査で、一番印象に残ったのは、子どもたち自身が語る、自分の行動への分析です。なぜスマホがやめられないのか、理由を尋ねたところ、こんな声が寄せられていました。
「YouTubeとかSNSは自分の好みの動画が永遠に流れてくるから!」「LINEにすぐ返信しないといけない気がするから」、そして、特に印象深かったのが、「現実逃避がいつでも出来る心の保険として最適すぎるから」という声です。
これは、大人が分析しても、なかなかここまで的確には言葉にできないと思います。子どもたちは、自分がなぜスマホに吸い寄せられてしまうのか、驚くほど正確に自己分析できているのです。
「分かっている」ことと、「やめられる」ことは別
ここが、今回の調査で一番考えさせられたポイントです。中毒だと感じる瞬間として最も多かったのは「気づいたら1時間以上いじっていたとき」でした。次いで「宿題などを後回しにしてしまう」が64.4%、「なにかをしながらスマホを見てしまう」が60.3%と続きます。
つまり、子どもたちは、**自分の行動を、かなり客観的に把握できています**。それでも、やめられない。これは、以前の記事でも触れた「ドパガキ」現象と同じ構造です。企業が意図的に設計した、強い刺激・快感を生み出す仕組みの前では、「分かっているから、やめられるはず」という発想自体が、そもそも成り立たないのだと思います。
持っていない子にも、同じ圧力がある
一方で、自分専用のスマホを持っていない小中学生のうち、89.8%が「ほしいと思ったことがある」と回答しています。理由としては、「友だちとLINEしたい」「外出先で連絡できるようにしたい」といった実用的なものに加え、「クラスのみんながLINEしていて、自分もしないと話題に追いつけなくなったり、仲間外れにされたりするんじゃないか」という、切実な声もありました。
持っている子は「やめられない」ことに悩み、持っていない子は「持っていないこと」自体に不安を感じている。どちらの立場でも、スマホという存在が、子どもたちの心に、大きな影響を与えているのだと思います。
家庭でできること
自分で「中毒かもしれない」と気づけること自体は、実は、とても前向きなサインだと思います。問題は、その自覚を、本人を責める材料にしてしまうことです。「分かってるならやめなさい」と言われても、分かっていてもやめられないのが、この問題の本質だからです。
それよりも、「気づいたら1時間以上」「宿題を後回しにしてしまう」という、子ども自身が挙げた具体的な瞬間を、一緒に振り返ってみることが、次の一歩になるのではないでしょうか。以前の記事でも紹介した通り、いきなり大きく減らそうとするより、「1時間だけ減らす」という、小さな目標から始める方が、現実的に続けやすいとされています。
まとめ
- 中学生の52.5%が、自分をスマホ中毒だと自覚している。小学生では「思わない」が上回り、中学生で逆転する
- 子どもたち自身が、「現実逃避の心の保険」など、驚くほど的確に自己分析できている
- 自覚があっても、「気づいたら1時間以上」「宿題を後回し」といった行動は、変えられていない実態がある
- スマホを持っていない子も、89.8%が「ほしい」と回答し、仲間外れへの不安を感じている
- 自覚を責めるのではなく、具体的な瞬間を一緒に振り返り、小さな目標から始めることが大切
アセラズ、クサラズ、アキラメズ。
「分かっているのに、やめられない」のは、意志の弱さではありません。それだけ、よく出来た仕組みと向き合っているということだと思います。


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