「ドパガキ」って知ってますか?精神科医が教える、たった1つのシンプルなルー

スマホ・ゲーム対策

結論から言います。「ドパガキ」という言葉を、ご存じでしょうか。ショート動画やゲームなど、刺激の強いコンテンツに慣れてしまい、常に強い刺激を求めるようになる若い世代を指す、インターネットスラングです。「ドーパミン中毒のガキ」の略で、2024年末頃からSNSで広まり始め、今、教育現場でも無視できない現象になっています。

「ドパガキ」は、もはや他人事ではない

文部科学省が実施した全国学力・学習状況調査の分析によれば、平日に3時間以上SNSや動画視聴をしている割合は、小学6年生で37.3%、中学3年生で49.1%にのぼります。利用時間が長い児童・生徒ほど、各教科の点数が低い傾向も報告されています。

ある40代の父親は、中学生と小学生の娘たちについて、「Switchでゲームをしながら、隣でショート動画を回してスクロールしつつゲームする」「スマホを握ったまま寝る」といった様子を語っています。学校に行く準備中も、出発ギリギリまでスマホを見ているといいます。

「悪ばかりとは言えない」という、多角的な視点

ただ、この現象を、一方的に「悪」と決めつけるべきではない、という指摘もあります。ハーバード大学の准教授による分析では、ショート動画漬けの影響がすべて悪いとは言えず、重要なのは「現実のアウトプットに繋がるかどうか」だとされています。ドパガキという言葉自体も、多くの場合、深刻に糾弾するためではなく、「映画を等速で見られない、完全にドパガキ」というように、自分の行動を客観視しながら、軽い自虐として使われることが多いようです。

依存は、意志の弱さではなく、設計の問題

ここで知っておいてほしいのが、この依存は、個人の意志の弱さの問題ではないということです。ある海外の通信相は、若年層のSNSへの依存は「欠陥ではなく、デザインされた特徴だ」と述べています。専門家自身も「自分は自律心が強いと思っていても、疲労時にはショート動画を数時間見続けてしまうことがある」と認めており、専門家でさえ抗いがたいのだから、発達途中の子どもが自力でコントロールするのは、ほぼ不可能だとされています。

教育先進国でさえ、教育論では対抗できなかった

これは、日本だけの問題ではありません。かつて教育先進国として注目されていたフィンランドやスウェーデンでも、深刻な事態が起きています。フィンランドのPISAスコアは長期低落傾向にあり、教育庁の担当者は、デジタル教材やスマホをはじめとした「デジタル化」が背景にあるとみています。スウェーデンも、読解力スコアが4年間で19ポイントも低下し、教育相は「スクリーンからバインダーへ」を合言葉に、2026年8月からすべての義務教育課程で携帯電話を禁止する予定だとしています。

教育理念がどれだけ優れていても、企業が意図的に設計した依存性の前では、対抗しきれなかった。これが、世界の教育現場が直面している現実です。日本には、まだこうした法規制はありません。

それでも家庭でできる、精神科医のシンプルなルール

法規制がない日本の家庭では、どうすればいいのでしょうか。精神科医の樺沢紫苑氏が、YouTubeで紹介している方法が、非常にシンプルで参考になります。

「3時間以下にしましょう」と、いきなり大きな削減を求めても、現実的には相手にされません。そこで樺沢氏が勧めるのが、「1時間だけ減らしませんか」という、驚くほど小さな目標です。実際にこの目標で取り組んでもらった実験では、一生懸命やってもらったところ、使用時間が半分以下になったという結果が出ています。

そのカラクリは、「1時間減らす」ことが、結果的に「15分ずつ、ちょこちょこ見る」という、依存的な行動そのものをやめることに繋がるからだとされています。無駄なアクセスを減らすことで、本当に見たいものだけを、必要な時に見られるようになる、というわけです。

まとめ

  • 「ドパガキ」は、刺激の強いコンテンツに慣れ、集中力が続かなくなる若い世代を指す言葉
  • 影響は一方的に「悪」とは言えず、重要なのは現実のアウトプットに繋がるかどうか
  • 依存は意志の弱さではなく、企業が意図的に設計した構造の問題
  • フィンランド・スウェーデンでも、教育論では対抗できず、法律での規制に至った
  • 日本の家庭では、「いきなり大きく減らす」のではなく「1時間だけ減らす」という、小さな目標が効果的

アセラズ、クサラズ、アキラメズ。

もし、お子さんとの約束が崩れることがあっても、それは家庭のせいではありません。世界の教育先進国でさえ、対抗しきれなかった相手と戦っているのです。少しでも減らせたなら、それは十分に、称賛に値することだと思います。

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