自由研究、やらない家庭が1年で倍増(31%)。でも親はAIを使わせなかった

家庭学習

結論から言います。「自由研究をやらない」という選択をした家庭が、この夏、1年で倍近くに増えていました。しかも、その裏側では、もう一つ興味深い動きも見えてきました。

これまで「デジタルと子どもの距離感」というテーマで、AIやSNSについて書いてきましたが、今回の自由研究のデータにも、似たような構造が隠れていました。

自由研究、「やらない」家庭が1年で倍増

アクトインディが2026年8月27日から9月2日にかけて実施した調査(保護者498名対象)によると、小学3年生から6年生の家庭で、学校から自由研究の課題が出たのは88%でした。これは前年の82%とほぼ同水準で、課題自体が減っているわけではありません。

ところが、実際に「取り組んだ」のは57%にとどまり、「任意だったため取り組まなかった」という家庭が31%に上りました。これは、前年の16%から、1年でほぼ倍増した数字です。

特に、高学年で顕著な”離れ”

学年別に見ると、この傾向はさらにはっきりします。小学1・2年生で「取り組まなかった」割合は19%だったのに対し、小学3年生以上では31%にのぼりました。前年の2025年は、学年による差がほとんど見られなかったことを考えると、2026年になって、高学年での自由研究離れが、急速に進んだと言えそうです。

取り組んだ家庭でも、かける時間は短くなる傾向にあります。「2時間以内」で終わらせた家庭が40%と、前年の31%から増加。当日から数時間で完了させた家庭は、57%に達しています。一方で、着手する時期は「夏休み半ば」が41%で最多と、こちらは前年から大きな変化はありませんでした。始める時期は変わらないけれど、かける時間は、確実に短くなっている、ということです。

親はAIを使うのに、子には使わせなかった

ここで、もう一つ興味深いデータがあります。同じ調査によると、保護者の66%が生成AIを日常的に利用しており、「1年前より利用が増えた」という回答は95%に達しています。

ところが、自由研究に取り組んだ家庭に「子どもに生成AIの利用をすすめたか」を聞いたところ、「すすめた」と回答したのはわずか9%。「すすめなかった」が73%という結果でした。AIへの理解不足を理由に挙げる割合は、前年の14%から12%へとむしろ減っており、調査元は「AIそのものへの戸惑いは薄れ、あえて使わせないという判断が中心になっている」と分析しています。

つまり、親自身は日常的にAIを使いこなしながら、子どもの自由研究という”自分で考える経験”には、あえてAIを介在させない。そういう、意識的な線引きをしている家庭が多い、ということなのだと思います。

我が家の場合

我が家では、3人の息子全員、自由研究はやりませんでした。今回のデータを見て、これは決して特殊なことではなく、むしろ今の時代の流れに沿った選択だったのだと、改めて感じています。

「やらない」も、一つの選択

「自由研究離れ」という言葉だけを見ると、少しネガティブに聞こえるかもしれません。ただ、学校から出る課題自体は変わっていないのに、「任意だから、うちはやらない」という選択をする家庭が増えているのだとしたら、それは、忙しい毎日の中で、家庭ごとに優先順位を判断した結果なのだと思います。

AIを使わせない、という判断も、同じことが言えるかもしれません。便利だから使わせる、ではなく、子どもの経験として大切にしたいから、あえて使わせない。そういう、家庭なりの意識的な選択が、今、静かに広がっているのだと思います。

まとめ

  • 自由研究を「やらない」家庭は31%で、前年の16%から1年で倍増した
  • 特に小学3年生以上の高学年で、この傾向が顕著に強まっている
  • 取り組んだ家庭でも、かける時間は短くなる傾向にある(2時間以内が40%)
  • 保護者の66%が日常的にAIを使う一方、自由研究でAI利用をすすめた家庭はわずか9%だった
  • 「やらない」「使わせない」は、否定ではなく、家庭ごとの意識的な選択と言える

アセラズ、クサラズ、アキラメズ。

やる、やらない。使う、使わない。どちらを選んでも、それぞれの家庭なりの理由があっていいのだと思います。

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