「文系」「理系」。この区分、実は日本にしかない、特殊な考え方だって知っていましたか?
英語には、この区分に対応する言葉が存在しません。「Science and Literature」と訳されることもありますが、これは誤訳に近いとされています。「science」は本来「学問・知」全般を指す言葉で、文系も含まれるはずのものです。つまり、日本のように高校1年生の時点で、将来の学問領域をほぼ二択で決めてしまう制度自体が、世界的に見ると珍しいのです。
それでも、日本の高校に通う以上、この選択から逃れることはできません。結論から言います。文理選択は、思っているより早く、そして重く決まります。多くの高校で、高校1年生の秋〜冬に決定し、一度決めると後から変更するのは簡単ではありません。今日は、後悔しないために、今から知っておきたいことをまとめます。
文理選択、実はこんなに早い
多くの高校では、高校1年生の10〜12月に文理選択が行われ、高校2年生の4月から、文系・理系に分かれた授業がスタートします。つまり、高校に入学してから、わずか半年ちょっとで、大学受験・将来の職業にまで関わる大きな選択をしなければならないということです。
しかも、最近はこの時期がさらに早まる傾向にあるとされています。高1の夏休みにオープンキャンパスへ参加できるよう、1学期のうちから文理選択についての説明が行われる高校も増えているそうです。「まだ先のことだと思っていたら、あっという間だった」という声が出るのも無理はありません。
一度決めると、変更が難しい理由
文理選択は、一度決定すると、後からの変更が難しいとされています。理科の履修範囲や、数学の授業進度が、文系・理系でまったく異なるカリキュラムになるためです。「なんとなく」で選んでしまうと、後になって「本当はこっちの方が良かった」と気づいても、取り戻すのに大きな負担がかかります。
具体的に、何を学ぶ教科が変わるのか
ここで、「そもそも文系・理系で、具体的に何が変わるのか」を整理しておきます。文系と理系の違いは、履修する科目そのものにあります。
| 文系 | 理系 | |
|---|---|---|
| 数学 | 数I・数II・数A・数Bまで | 数IIIまで履修 |
| 理科 | 「基礎」がつく科目のみ(物理基礎・化学基礎など) | 物理・化学・生物などの専門科目から2科目選択 |
| 地歴・公民 | 多めに科目を選択 | 1科目程度に絞られることが多い |
特に大きな差が出るのが数学です。理系は、高3で「数III」まで進むのに対し、文系は数IIまでで止まります。数IIIには複素数平面などの分野が含まれ、理系受験者でも苦手とする人が多い、負担の大きい範囲です。「ⅠAが理解できていないのに、ⅡBは急に分かるようにはならない」と言われるほど、数学は積み重ねの科目なので、早い段階でのつまずきが、その後の文理選択にも影響してきます。
理科も同様です。理系は「基礎」の付かない専門科目(物理・化学・生物など)まで踏み込みますが、文系は「基礎」までしか学びません。入り口の段階で、学ぶ深さそのものが大きく変わるということです。
「文理融合」という、もう一つの選択肢も
ちなみに、心理学や建築学のように、文系・理系の境界がはっきりしない学問分野も増えています。文系的に見える心理学が、実験や統計を多用する理系的な側面を持っていたり、理系のイメージが強い建築学が、デザインや空間設計という芸術的な面を持っていたりします。「文系脳・理系脳」という言葉に科学的根拠はないとされているので、先入観だけで進路を決めつけないことも大切です。
実は、国も「文理選択」自体を見直そうとしている
ここまで、文理選択という制度について見てきましたが、実は国レベルでも、この仕組みを見直す動きが出ています。2023年2月、中央教育審議会大学分科会は、大学教育の振興方策として、「文理横断・文理融合教育」を主要な論点の一つに掲げました。
つまり、「文系か理系か、高1の段階で早々に二択を決める」という、これまでの当たり前の仕組み自体が、国の方針としても見直され始めているということです。「文系・理系は日本独自の概念」という話をお伝えしましたが、その日本自身が今、この枠組みから抜け出そうとしているのは、なんだか興味深い流れです。
教育熱心な家庭ほど、準備は早い
制度が変わろうとしているとはいえ、今、高校生活を送っている子どもたちにとって、文理選択は目の前の現実です。教育に熱心な家庭ほど、もっと早い段階から、準備を始めている傾向があります。
例えば中学受験を検討する家庭では、小学校低学年のうちから、学習習慣をつけ、苦手意識を持たせないようにする取り組みが一般的です。実際、2024年の首都圏の中学受験率は18.12%と過去最高を記録しており、早い段階から、子どもの得意・不得意や興味関心を見極めようとする家庭が増えていることがうかがえます。
これは、必ずしも「中学受験をすべき」という話ではありません。中学生のうちから、得意科目・苦手科目に、なんとなくでも向き合っておくことが、高1での文理選択のとき、慌てずに判断できる土台になるということです。
日々の学習の積み重ねが、選択の判断材料になる
ここで大事なのが、日頃の家庭学習で、自分の得意・不得意を可視化しておくということです。定期テストの点数だけでなく、単元ごとの理解度、応用問題への対応力など、普段の学習の積み重ねが、文理選択の判断材料になります。
以前このブログで紹介したZ会は、応用力・思考力を重視した教材で、「基礎はできているが、もっと考える力を伸ばしたい」という子に向いていると紹介しました。文理選択を控えた時期に、数学や理科の応用問題にどれだけ対応できるかを試しておくことは、進路選択の判断材料としても役立ちそうです。
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一方で、「まずは基礎を固めて、苦手意識をなくしたい」という子には、スマイルゼミのような、自動丸つけで無理なく続けられる教材が向いています。文理選択を控えた時期だからこそ、「なんとなく苦手」で終わらせず、基礎から丁寧に固め直しておくことも、後悔しない選択につながります。
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まとめ
- 「文系・理系」という区分は、実は日本独自の概念で、世界的には珍しい制度
- 文理選択は、多くの高校で高1の秋〜冬に決まり、しかも近年その時期は早まる傾向にある
- 文系と理系では、数学・理科の履修範囲が大きく異なる
- 国も「文理横断・文理融合教育」を掲げ、この仕組み自体を見直そうとしている
- 教育熱心な家庭ほど、中学受験など、小学校低学年から準備を始めている傾向がある
- 応用力を試したいならZ会、基礎固めをしたいならスマイルゼミなど、目的に合わせた教材選びが判断材料になる
文理選択は、高校1年生の秋〜冬という「点」の出来事のように見えます。でも実際には、小学校低学年から積み重ねられてきた、学習習慣・得意不得意の把握という「線」の延長線上にあるのだと、今回調べていて気づかされました。
「うちはまだ小学生だから関係ない」ではなく、今の学びの積み重ねが、何年も先の大きな選択につながっている。そう考えると、日々の家庭学習も、また違った意味を持って見えてくるのではないでしょうか。
アセラズ、クサラズ、アキラメズ。


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