結論から言います。大阪府の公立高校入試は、2028年度(令和10年度)から、大きく制度が変わります。対象になるのは、今の小学5・6年生から中学1年生。「まだ先の話」と思われがちですが、実はもう始まっている変化です。
今の制度と、2028年度からの制度
現在の大阪府の公立高校入試は、2月に実施される特別入学者選抜、3月に実施される一般入学者選抜、そして欠員が出た学校でのみ実施される二次入学者選抜という、複数の選抜機会に分かれています。
これが2028年度からは、特別選抜と一般選抜が「一般入学者選抜」に一本化されます。ただし、二次選抜という”救済措置”の仕組みは、これまでどおり残ります。入試期間が短縮されることで、中学卒業から高校入学までの準備期間を、しっかり確保する狙いがあります。
なぜ、この改革が行われるのか
大阪府教育委員会は、この改革の目的を、生徒の個性や適性を生かす入学機会の拡大と説明しています。背景には、これから社会に出ていく子どもたちにとって、知識・技能だけでなく、思考力・判断力・表現力や、学びに向かう力が、これまで以上に必要になるという考え方があります。
これまでの公立高校入試は、5教科の合計点という、いわば一つの物差しだけで合否が決まる、画一的な入試でした。一方、私立高校は、学校ごとに個性を打ち出しやすい、専願制度や特色ある選考を、もともと持っています。今回の改革は、公立高校が、こうした私立のような”個性を評価する入試”に、近づいていく動きだと言えます。
「学校特色枠」、実際にはこんな中身
この改革の目玉が「学校特色枠」です。各高校が「学科の特性」「探究活動」「地域貢献」「文化的・体育的活動」といった独自のテーマを掲げ、学力検査に加えて、面接やプレゼンテーション、実技、作文など、各校が定めた方法で評価する仕組みです。
実際に発表されている内容を見ると、学校によって評価の軸が大きく異なります。ある高校では、文化・体育的活動、学校生活への意欲、地域貢献という3つの枠を設け、合計で募集人員の35%をこの枠に割り当てています。別の高校では、ボーダーライン付近の受験生の判定に作文を使う仕組みを取っています。さらに別の高校では、内申点とエントリーシートだけで評価し、学力検査の点数はこの枠の合否に一切関係しないという、思い切った方式を採用しているケースもあります。
つまり「学校特色枠」とひとことで言っても、その中身は学校によってまったく違います。志望校がどんな評価軸を採用しているか、早めに確認しておく必要がありそうです。
もう一つの変更点:第2志望制度
これまでの大阪府の公立入試は、基本的に1校しか受験できない、いわば一発勝負でした。2028年度からは、第1志望の公立高校に加えて、もう1校を第2志望として出願できる制度が導入されます。
ただし、ここに注意点があります。この第2志望での判定は、第1志望の生徒だけでは定員に満たなかった高校でのみ行われます。つまり、人気の高い高校を第2志望にしても、必ず判定してもらえるわけではありません。「もう1校選べるから安心」と単純に考えず、第1志望・第2志望の組み合わせ方は、慎重に検討する必要があります。
この事実、実はまだ十分知られていない
これだけ大きな制度変更にもかかわらず、正直なところ、保護者の間での認知度は、まだ高くないようです。実際、複数の教育関係者が、「2028年度って、まだ先の話でしょ?」と誤解されがちだと、繰り返し注意を促しています。この制度が直撃するのは、今の小学5・6年生から中学1年生です。「うちの子の代からじゃない」と思い込まないよう、早めに知っておくことをおすすめします。
まとめ
- 大阪府の公立高校入試は、2028年度(令和10年度)から大きく変わる。対象は現在の小5・6年生〜中1
- 特別選抜と一般選抜が一本化される一方、二次選抜はこれまでどおり残る
- 目的は、点数だけでなく、生徒の個性や思考力を評価する入試への転換
- 「学校特色枠」は府立高校のほぼ全校で実施され、評価方法は学校によって大きく異なる
- 「第2志望制度」は、定員に満たなかった高校でのみ判定される点に注意が必要
- 制度変更にもかかわらず、保護者の間での認知度はまだ高くない
アセラズ、クサラズ、アキラメズ。
制度が変わっても、やるべきことの本質は変わりません。ただ、知っているかどうかで、対策の立て方は大きく変わります。まずは、志望校がどんな評価軸を掲げているか、早めに確認することから始めてみてください。
この記事の内容は、2026年8月時点で大阪府教育委員会が公表している情報に基づいています。学校特色枠の詳細や配点は、今後変更・追加される可能性があります。最新の情報は、大阪府教育委員会の公式サイトや、志望校のホームページで、必ず確認してください。


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