ネットで知り合った人と会った高校生、20.6%。でも親が知っているのは14.3%だけ

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結論から言います。「ネットを通じて知り合い、会ったことがある人がいる」と答えた高校生は、20.6%にのぼります。一方、高校生の保護者で、この数値を把握していたのは、わずか14.3%でした。「うちの子は、ネットで知らない人と会ったりしていないはず」——そう思っていても、実態は、親が思っているより少し先を行っているのかもしれません。

高校生20.6%、保護者が把握しているのは14.3%

総務省が実施した「青少年のインターネット利用に係る調査」によると、青少年自身の回答で「ネットを通じて知り合い、会ったことがある人」と交流している例は少なくなく、特に高校生では20.6%にのぼりました。一方、高校生の保護者の回答では、この数値は14.3%にとどまっています。実際には、高校生は保護者が把握しているよりも、ネットを通じて知り合って会っているケースが多い、ということです。

興味深いのは、同じ調査で、もう一つ逆方向のギャップも見えてきたことです。インターネット利用について「課題・問題を感じている」保護者は、未就学〜中学生の保護者で60%を超えていたのに対し、青少年本人がそう感じている割合は、中学生28.0%・高校生32.3%と、むしろ低い傾向にありました。つまり、「出会い」については親が実態を把握しきれておらず、「不安」については親の方が過剰に心配している可能性がある、という、2つの異なるズレが、同時に存在しているのです。

なぜ、子どもは不安を感じにくいのか

この背景には、「正常化バイアス」と呼ばれる心理があるとされています。東京女子大学の調査では、SNSを通じて知らない人と会うことについて、「自分に限って危険なことはないと思っている」と回答した10代女性が、約半数にのぼりました。周りの友達も当たり前にやっていることだからこそ、「自分だけが危険な目に遭うはずがない」と感じてしまうのだと思います。

もう一つの理由は、そもそも「ネットで知り合った人」を「知らない人」だと思っていないことです。SNSネイティブ世代にとっては、「ネットでしかやりとりしたことがないけれど恋人」「会ったことはないけれど親友」という感覚が、ごく自然なものになっています。リアルとネットの友人関係に、明確な境界線を引いていないのです。

「会おう」と決める、子どもなりの判断基準

では、何を基準に「会おう」と決めているのでしょうか。研究によると、最も大きいのは「共通の話題・趣味」です。地元が一緒だったり、趣味や嗜好が共通していたりする話題で、やりとりが継続したことが、対面で会うきっかけになりやすいとされています。興味深いことに、相手が会いたがっている場合ではなく、自分が会いたいと思った場合に、実際に会っていることも分かっています。

会う理由として最も多かった回答は「話の内容から信頼できると思ったから」(44.4%)でした。ただし、同じ調査で「人を判断できる自信があるので大丈夫」という回答も、同じく44.4%にのぼっています。これは、まさに先ほどの正常化バイアスの表れだと思います。

一部の高校生は、会う前にビデオ通話で話す、プロフィールが本人のものかを確認する、人が多い場所を選ぶ、家族に予定を伝えるといった、独自の安全確認を行っていることも分かっています。全員が無防備というわけではなく、自分なりの基準で判断している子も、少なくないのです。

それでも、トラブルは起きてしまう

ただ、正直に言うと、こうした確認が、すべてを防げるわけではありません。警察庁の統計によると、SNSを通じて性被害等に遭った青少年は、2019年に過去最多の2,082人となり、その後減少傾向にあるものの、依然として高い水準で推移しています。

実際の事件例では、19歳のイケメン大学生になりすました被疑者が、SNSで女子高校生と知り合い、重大な被害に至ったケースが報告されています。インターネット上では、他人になりすますことが簡単にできてしまいます。「ビデオ通話で確認した」「プロフィールを見た」といった、子どもたちなりの安全確認も、巧妙になりすましをされてしまえば、見抜けないことがあるのです。

一度信じてしまうと、リテラシーだけでは難しい

ここが、このテーマの一番難しいところだと思います。「危険かもしれない」と頭では分かっていても、一度相手を信頼してしまうと、その信頼を疑うこと自体が、心理的に難しくなってしまいます。特に、悩みを相談したり、心を開いた相手であれば、「もしかして騙されているかもしれない」と疑うことが、相手を裏切るような感覚になってしまうこともあるのだと思います。

つまり、信じてしまった後に、本人の警戒心やリテラシーだけに頼るのは、現実的に難しいということです。

家庭でできること

だからこそ、「信じるな」と伝えるより、「信じた上でも、安全を確保できる仕組み」を、事前に用意しておくことの方が、現実的な備えになるのだと思います。

「会うときは、いつ・どこで・誰と・何をするかを、家族に伝える」というルールを、特別なことではなく、普段から当たり前のものにしておくこと。そして何より、「おかしいと思ったら、理由を説明しなくても、いつでも相談していい」という、安心して頼れる場所を、先に用意しておくことです。頭ごなしに否定せず、子どもが自分から話しやすい関係を、日頃から作っておくことが、一番の備えになるのだと思います。

まとめ

  • ネットで知り合った人と会ったことがある高校生は20.6%だが、保護者が把握しているのは14.3%にとどまる
  • 一方で、不安・問題意識については、親の方が子ども本人より高く感じている傾向もある
  • 子どもが不安を感じにくい背景には、「自分だけは大丈夫」という正常化バイアスと、ネットとリアルの境界があいまいな感覚がある
  • 「会おう」と決める基準は、共通の話題から生まれる主観的な信頼感が中心で、客観的な確認は限界がある
  • なりすましなどの巧妙な手口により、子どもなりの安全確認をすり抜けてしまうケースもある
  • 一度信じた相手を疑うのは心理的に難しいため、「信じた上でも安全を確保できる仕組み」を事前に用意しておくことが現実的な備えになる

アセラズ、クサラズ、アキラメズ。

「うちの子は大丈夫」ではなく、「いつでも相談できる関係」を、今日から少しずつ築いていきたいと思います。

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