子どもの生成AI利用、1年で2倍(38%)。でも親は、まだAIに頼っていなかった

育児・生活習慣系

結論から言います。「親はAIに頼らない。でも子どもは、既にAIに深く入り込み始めていた」——これが、今回分かったことです。

先日、「保護者は、進路や子育てでは、実はAIに頼っていなかった」という記事を書きました。進路相談も、子育ての悩みも、保護者は依然として「人」を頼っている、という内容でした。

では、子どもたちはどうなのでしょうか。調べてみると、まったく逆の景色が見えてきました。

家庭学習での生成AI利用、1年で2倍に

東京都教育委員会が2026年4月に公表した「令和7年度 児童・生徒のインターネット利用状況調査」によると、家でインターネットを使って学習をする際に、生成AIを「使ったことがある」と答えた児童・生徒の割合は38.0%でした。これは、前年度の16.9%から、2倍以上に増加した数字です。

この調査は、都内公立学校102校(小・中学校、高等学校、特別支援学校)の児童・生徒、約1万2,000人を対象にしたものです。1年でここまで数字が変わるというのは、正直、想像以上のスピードでした。

学齢が上がるほど、AIとの距離は近くなっていく

さらに気になるのは、学齢による差です。同調査によると、年齢が上がるにつれて生成AIの利用は進み、中学生では使った経験のある生徒が5割、高校生では6割を超えるという結果が出ています。

つまり、小学生のうちはまだ限定的でも、中学・高校と進むにつれて、生成AIは当たり前の学習ツールになっていく、ということです。うちの子たちが今どの段階にいるか、一度確認してみる価値はあると思います。

実は、先生たちも既にAIを使いこなしていた

もう一つ、興味深いデータがありました。都教委は都立学校の生徒や教員向けに生成AIの活用を進めており、授業準備などでの高校教員の利用率は、なんと100%に達しています。

「親はAIに頼らない。でも先生は、既に全員がAIを使っている」——この対比は、率直に驚きました。教育の”プロ”は、既に日常的な道具としてAIを使いこなし始めていた、ということです。

それでも、正直に懸念していること

ここまで前向きなデータを紹介してきましたが、同じ調査で気になる数字も出ています。インターネット上で面識のない人とやり取りした経験がある児童・生徒の割合は46%で、前年度から7ポイント増加しています。きっかけとなった話題は、ゲームやアニメ・漫画、趣味に関する情報交換が多くを占めていました。

都教委はこうした状況を踏まえ、生成AIの特性や留意点を理解して適切に活用する力を育成するため、生成AIリテラシー教材を都内公立学校に提供する方針を示しています。生成AIの利用拡大と、SNSでの見知らぬ人とのやり取りの増加は、別々の現象のようで、実は「子どもが大人の目の届かないところで、デジタルとの関わりを深めている」という、同じ根っこの話なのかもしれません。

親と子の間に生まれている、静かなギャップ

前回の記事で見えたのは、「保護者は、人生の重要な判断ではAIより人を頼る」という姿でした。今回見えたのは、「子どもは、既にAIとの付き合い方を、学習の中で模索し始めている」という、まったく逆の姿です。

これは、どちらが正しい・間違っているという話ではないと思います。ただ、親が「AIとは距離を置いている」うちに、子どもは先に、AIとの日常的な付き合い方を築き始めている。このスピード差そのものが、今、家庭の中で起きている変化なのだと思います。

まとめ

  • 家庭学習での生成AI利用率は38.0%で、前年度の16.9%から2倍以上に増加した
  • 学齢が上がるほど利用率も上昇し、中学生で約5割、高校生で6割を超える
  • 都立高校教員の授業準備での生成AI利用率は100%に達している
  • 一方、SNSで面識のない人とやり取りした経験がある割合も46%(前年比7ポイント増)と、懸念材料も存在する
  • 親がAIと距離を置く一方、子どもは既にAIとの付き合い方を模索し始めているというギャップがある

アセラズ、クサラズ、アキラメズ。

使うか使わないかを決めるより先に、子どもが今、どうAIと関わっているのかを知ることから、始めてみたいと思います。

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