結論から言います。ベルマーク活動は「廃止するか、我慢して続けるか」の二択ではありませんでした。地域の老人ホームにお願いしたら、負担が減っただけでなく、それ以上のものが生まれました。
7割の学校が、まだベルマークをやめられずにいる
ある調査によると、2021年時点でベルマーク活動を続けている学校は、小学校で72%、中学校で61%にのぼります。非効率だと言われながらも、多くの学校で今も続いているのが実態です。
うちの学校のPTAでも、長年この活動が続いていました。細かいベルマークを種類ごとに仕分けし、点数を数え、財団に送る。地道で、時間のかかる作業です。「時給換算すればいくらになるのか」という声が出るのも無理はありません。
なぜ、非効率でもやめられないのか
多数決を取れば、廃止に賛成する声が多いことも珍しくないようです。それでも簡単に廃止できないのは、「お金を集めて子どもたちの役に立ちたい」という気持ちや、活動そのものに意味を感じている人がいるからだと思います。一方的に廃止してしまうと、後からクレームが出続けることもあると聞きます。
つまり、「やめる」か「我慢して続ける」かの二択では、なかなか解決しない問題なのだと思います。
地域の老人ホームに、仕分けをお願いしてみた
そこで私たちが考えたのは、ベルマークの仕分け作業を、地域の老人ホームの利用者さんにお願いするという方法でした。
これが、想像以上にうまくいきました。細かい作業で手先を動かすことは、認知症の進行予防にもつながるとされています。しかも「子どもたちのためになる」という目的があることが、利用者さんたちのモチベーションになっているようです。ただ単調な作業をするのではなく、「誰かの役に立っている」という実感を持てることが、大きな違いを生んでいるのだと思います。
PTA側としても、これまで平日に時間を作って集まっていた仕分け作業の多くを任せられるようになり、作業量が大きく減り、負担が軽くなりました。
負担軽減だけじゃなかった。もう一つの効果
実際にやってみて分かったのは、この取り組みには2つの大きな効果があったということです。
一つは、負担の軽減。そしてもう一つは、地域の人たちとの関係性です。老人ホームとのやり取りを通じて、それまで知らなかった地域の方々と関わるようになりました。「意外と、応援してくれる人が多いんだな」と気づかされたのは、大きな発見でした。PTAというと、内側だけで完結しがちな活動になりやすいですが、外に開いていくことで、こんなにも協力してくれる人がいるのだと実感しました。
「では、小さなベルマークはどうするか」から生まれたアイデア
ただし、いいことばかりではありません。小さなベルマークは、高齢者の方には文字が小さくて読めず、種類の判別が難しいという課題があります。
ここで、新しいアイデアが生まれました。「この小さなベルマークは、子どもたちにお願いしてみてはどうか」という発想です。「できない部分」が出てきたことが、逆に次のアイデアを生むきっかけになったのです。
さらに、ただ子どもたちに作業をお願いするだけでは、面白くありません。そこで、「集まったベルマークを何と交換するか、子どもたち自身で投票して決めよう」というアイデアも生まれました。自分たちが仕分けたベルマークが、自分たちで選んだものに変わる。これなら、単なる「お手伝い」ではなく、子どもたちにとっても主体的な活動になります。
これは「win-win」という言葉がぴったりの関係
整理すると、こういう構造です。
- PTA側:仕分け作業の負担が大きく減る
- 老人ホームの利用者さん側:手先を動かす機会になり、認知症の進行予防につながる。「子どもたちのため」という目的が、モチベーションになる
- 地域全体:これまで接点のなかった人たちとのつながりが生まれ、「応援してくれる人が多い」という発見につながる
- 子どもたち:小さなベルマークの仕分けを担当し、交換品を自分たちで投票して決めることで、主体的な活動になる
誰か一方が我慢するのではなく、それぞれの「できること」「求めていること」を組み合わせることで、みんなが少しずつ得をする関係を作れました。しかも、その過程で新しい課題が出てきたことが、さらに次のアイデアを生む、という好循環にもなっています。
まとめ
- ベルマーク活動は非効率と言われながらも、7割以上の学校で今も続いている
- 「廃止」か「我慢して続ける」かの二択ではなく、第三の選択肢を探ることもできる
- 地域の老人ホームに仕分け作業をお願いしたところ、PTAの負担が大きく減った
- 負担軽減だけでなく、地域の人たちとの関係性という、思わぬ副次効果もあった
- 「できない部分」が出てきたことがきっかけで、子どもたちを巻き込む新しいアイデアが生まれた
- 交換品を子どもたち自身が投票して決めることで、単なるお手伝いが主体的な活動に変わった
アセラズ、クサラズ、アキラメズ。
「廃止するかどうか」で悩む前に、「誰かと分担できないか」を考えてみると、負担軽減だけでなく、思いがけないつながりや、新しいアイデアまで生まれるかもしれません。


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